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コロナウイルス:ドイツの動物園で飼育の動物をお互いのエサに


4/14/2020

Translated by George Bodman


本来ならばイースター休暇で混雑しているはずの動物園だが、コロナウイルスによるロックダウンで閉鎖され、現在は募金を募っている。

北ドイツの動物園の園長によると、動物園の存続の為に近い将来飼育している動物達同士をエサにしなければならないかもしれないと認めた。

「既にどの動物から殺処分するかリストは出来ている」ノイミュンスター動物園のヴェレナ・カスパリがディ・ウェルト紙に語った。

ベルリン動物園では双子の赤ちゃんパンダを飼育しているが、ファン達はネットから観察することしか出来ない。

動物園の広報担当フィリネ・ハックマイスターがDPAニュースに対し「双子のパンダはとっても可愛いです。私たちは常々彼らを皆様に実際にご覧いただきたいと思っています。動物園がやっと再開した時には、この赤ちゃんパンダが既に大人に成長してしまったということになって欲しく無いです」

旺盛な食欲

ノイミュンスター動物園のカスパリ氏によると、飼育されている動物が他の動物の為にエサになることは最終手段であり「大変心苦しい」としているが、それでも経営を助ける解決にはならないという。

アザラシやペンギンには、毎日大量の新鮮な魚が必要だと彼女は指摘する。

「もしその時が来たら、私は彼らを餓死させるのではなく殺処分しなければならない。最悪の場合、他の動物のエサにしなければならないだろう」

カスパリ氏の動物園は、州の緊急事態小規模事業者基金による助成金が降りない協会に所属している。

彼女の計算によると、今年の春だけで17万5,000ユーロ(約2,000万円)の赤字だという。

ドイツの動物園は国民による直接的な募金の他に、政府に対し連名で1億ユーロ(約120億円)の支援を希望しているとDPAニュースが伝えている。

ドイツ国立動物園協会(以下VdZ)は、動物園というのは他の多くの事業の様に冬眠に入ったりコストを下げる事が出来ないと主張する。動物達は毎日食事と清掃を必要とし、熱帯の動物達は20度以上の室温を保たなければならない。

VdZのチーフであるヨルグ・ユンホルドによると、ドイツの平均的な動物園で週に約50万ユーロ(約6,000万円)の支出があるという。

ウィーンが誇るシェーンブルン動物園によると、現状は維持出来ているが確実に貯蓄を失っているという。

そして4月1日に職員の70%にあたる230名のスタッフに、3ヶ月の休暇を与え自宅待機とさせた。オーストリアにはドイツと似た短時間就労のシステムがあり、雇用主の経営状況が悪化しても多くの職員が職を失わない様になっている。

動物が「人を恋しがっている」

とある飼育員によると、この危機によって特定の動物達は日頃集めている人間からの注目を失った事による感情の問題が出始めていると警告している。

ベルリン動物園のハクマイスター氏によると「特に猿たちは人々を観察する事を好んでいる」という。彼女によるとアザラシやオウムは来園者に興味を示すので「今は彼らはとても暇にしている」とのこと。

モスクワ動物園も飼育している2頭のジャイアント・パンダについて「何かを失った様だ」と語る。

「今まで以上に檻の前を誰かが通ると、積極的に興味を示す様になった」

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