4/11/2020
Translated by George Bodman
ネバダで毎年開催される「バーニングマン」が、今年はコロナウイルスのパンデミックにより、会場を砂漠ではなくインターネット上に移転するとバーニングマン・プロジェクトのCEOであるマリアン・グッドベルが発表した。
音楽フェスと認識されることの多いバーニングマンだが、そもそもは8月におよそ1週間程だけ、ブラック・ロック砂漠に現れる仮設の都市ブラック・ロック・シティーというコミュニティーである。
「我々は出演者のブッキングやエンタテイメントの提供をいない。」とバーニングマンのウェブサイトには記載されている。「ここには企業のスポンサーも無い。あなたは『商品化されていない』空間に参加し、あなた自身が何を持っているかではなく、あなた自身が何者かという価値を見出す。ここでは他者とコラボレートし、包括的であり、クリエイティブで、繋がりを持とうとする事が求められ、最後に自分自身の手で綺麗に片付けなければなりません」
しかし、バーニングマンの2020年の集いは「多元宇宙」と呼ぶ形に移行するようだ。
「多くのヒアリング、議論を踏まえた考慮の末、2020年にブラック・ロック・シティーの建設はしないという判断を下しました」と金曜日に発表されたバーニングマン・プロジェクトのサイトに記載されている。「我々が生きてきた中で、グローバルな規模で最も過酷な危機の一つであるCOVID-19による痛ましい現実を考えると、これが正しい判断だと我々は信じています」
「この2020年において、人類は今まで以上に人々の繋がりと即時性が求められています。しかし、参加者、スタッフ、そしてネバダの住人達、そして全ての人々の健康こそ最優先されるべきだと我々は考えます」
「バーニングマンのグローバルなコミュニティーは、工夫に富み、快活です」とバーニングマン・プロジェクトのコミュニケーション部門ディレクターであるミーガン・K・ミラーがニュースウィークに送られた声明文に書かれている。「直ちに、2021年のブラック・ロック・シティー建設に向けた道具を配備し、この組織を支えコミュニティーの運営を助ける資源を投入します」
「多元宇宙では、ブラック・ロック・シティーがオンライン上に存在し、ヴァーチャルなメトロポリスがあなたの還りを待っています。我々は埃の代わりにデジタルの中で、共に造り上げ、共に過ごし、共に燃え上がる事が出来るのです」
バーニングマンのハイライトの一つに、毎回人型の肖像が燃やされます。1986年には8フィートの大きさだったこの肖像の作成も、2014年には105フィートもの大きさになった。
バーニングマンの主旨の一つに、この集いが終わった時には砂漠に何一つ残さず立ち去るというのがあるが、バーナーズの名で知られるバーニングマン参加者の中からは、砂漠に多くのごみが投棄されているとの苦情が出ている。
2018年に全米土地管理局が行なった調査によると、イベント会場内の一箇所から基準値の7倍に当たるゴミの投棄があったとの報告があった。
主催者はバーニングマンを「世界で最も大きな『痕跡を残さない』イベント」と呼んでおり、バーナーズによるとイベント終了後35日以内にブラック・ロック・シティーから出た全てのゴミや残骸、その他の参加者達の放置したアイテムを全て回収しているという。
ウェブサイトによると「我々のポリシーは、タイヤ痕と足跡以外、砂漠は本来の姿である不毛で空虚な世界の片隅に戻し立ち去る」としている。
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